旭展望台目次
旧国鉄手宮線 について
北海道は観光地として人気が高いですが、その中でも、小樽市は多くの観光客が訪れます。
皆さんは、小樽といえば、何が思い浮かびますか?
小樽運河、ガラス、オルゴール、海鮮、などなど、たくさん思い浮かぶものがあると思いますが、鉄道好きなら忘れてはならない観光スポットがあります!
それは、「旧国鉄手宮線」です!
旧国鉄手宮線って何?と思った方へ、簡単に歴史を説明します。
手宮線は、北海道最初の鉄道「官営幌内鉄道」の一部として、1880年に開通したのが始まりです。
幌内の炭山から、石炭を小樽市へ運ぶために作られた鉄道です。
その後、1906年の鉄道国有化にともない、「手宮線」という名称になりました。
長くの間利用されてきましたが、1962年に利用客減少のため旅客営業が廃止され、1985年に貨物輸送としての利用量も減少したことにより、路線自体が廃止になりました。
廃線から15年ほど経過した2001年より、寿司屋通りから中央通りを整備し、その後中央通りから小樽市総合博物館を2013年から4年をかけて整備し、現在では当時のまま踏切や線路が残された散策路として楽しむことができる観光スポットとなっています。
「旧手宮鉄道施設」は現在では「小樽市総合博物館本館」として国指定重要文化財に指定されており、博物館には「旧手宮機関庫」などの建造物や、鉄道の車両など、多くの鉄道関連の展示がされています。
2001年に整備された寿司屋通りから中央通りは、現在オープンスペースとして利用されています。
このオープンスペースには、いくつかのポケットパークや、線路と並行した散策路、花壇などが設置されているほか、「小樽がらす市」、「小樽雪あかりの路」といったイベントの会場にもなっています。
では、ここからは旧国鉄手宮線のオープンスペースで開催される2つのイベントについて紹介していきます。
まずは、例年7月下旬に開催される「小樽がらす市」についてです。
小樽がらす市は、毎年100万人を超える来場者がある「おたる潮まつり」の期間中に開催されるイベントです。
そもそも小樽市は、ガラス関係のショップが200店舗以上もひしめくガラスの街です。
その小樽市内のガラス工房を始めとして、全国のガラス工房約40社が旧国鉄手宮線に集結し、アクセサリーやグラス、風鈴などたくさんのガラス工芸品の展示や販売が行われます。
そのほかにも、吹きガラスやガラス小物などたくさんの体験ブースもあり、見るだけでなく作って楽しむこともできます。
このようなイベントが、「線路の上」で行われるということもほかでは体験できない見どころですね!
続いては、毎年2月上旬に開催される「小樽雪あかりの路」について紹介します。
小樽雪あかりの路は雪とろうそくの祭典で、手宮線会場と運河会場をメイン会場とし、多くの場所を会場として開催されています。
その中でも手宮会場は、賑わいを見せる小樽市の中でも静かな場所ということもあり、雪で覆われた線路に飾られたスノーキャンドルが、雑音なくダイレクトに目に飛び込んでくるのが魅力です。
小樽雪あかりの路期間中は、会場に飾る「スノーオブジェ作り」や自宅でキャンドルを灯すための「ワックスボウル作り」などのイベントも開催されており、そちらも誰でも楽しむことができます。
また、子供も楽しむことができる子どもが楽しめる「スノー滑り台」もあり、家族連れにもおすすめです。
さて、ここまでは旧国鉄手宮線でのイベントを紹介してきましたが、続いては、イベントのない通常時の旧国鉄手宮線について紹介します。
実際に旧国鉄手宮線を散策すると、どのような場所を通って、散策にはどのぐらいの所要時間がかかるのでしょうか?
北側始点からスタートするとして、それぞれのスポットを見ていきましょう!
北側始点は、小樽市総合博物館本館の南側に位置し、転車台から出ている線路が2つの線路になる地点です。
しばらく南へ進むと手宮駅跡が左手に見えてきます。
残されているものはホーム跡のかすかな石組のみですが、解説の看板もあり、歴史を知ることができます。
木々が広がる場所や、小樽の街並みを裏側から覗くような場所など変化を楽しみながらさらに南方へ10分程度歩き進むと、多くのイベントでも使用されるオープンスペースに辿り着きます。
オープンスペースは、イベントのない時でも、花壇やベンチなどが設置されており、休憩をしながら散策を楽しむことができます。
そしてオープンスペースを少し進むと、色内駅跡地があります。
手宮駅よりも残されている部分が多く、休憩施設として利用することができます。
また、こちらにも解説の看板があり、歴史を知ることができます。
色内駅から少し南へ進むと、南側始点に到着します。
これで遊歩道は終着です。
歩くスピードや休憩時間などにもよりますが、所要時間はおよそ30分程度でまわることができます。
それほど時間をかけることなく、手軽に歴史を感じながら、線路上を歩くというほかの場所ではできない体験をすることができますよ!
見どころ
続いては、旧国鉄手宮線の見どころについて紹介します。
前述の通り、旧国鉄手宮線は線路の中を歩くことができる点がいちばんのおすすめポイントです。
普通の場所はもちろん線路内を歩くことは禁止されているので、大人も子供も普段できない体験を楽しめると思います。
さらに、小樽運河周辺の観光スポットと比べるとそれほど人が多くないため、落ち着いてゆっくり散策をすることができます。
また、自転車の侵入も禁止されており、安全に散策することができます。
親子連れも安心ですね!
実際にここを電車が走っていたということを想像しながら散策すると、より感動できると思いますよ!
解説の看板もところどころにあるため、歴史を感じながら歩くことができると思います。
また、線路の途中には車が通行できる道路と多く交差しています。
踏切が残されているところもありますが、車自体は一旦停止することなく通行可能です。
道路に面していないところを歩いているときには、古い街並みという雰囲気を味わうことができますが、逆に道路と交わると一気に時代の進みを感じることができます。
そんな時代の移り変わりを、旧国鉄手宮線を歩いているだけで感じることができるのも見どころのひとつです。
また、小樽市街地の様々な建造物を裏側から見ることができるのも、見どころポイントです。
線路沿いには民家だけでなく様々なお店や会社、文化施設もあるので、それらの裏側の顔を見るというのも、楽しみ方のひとつです。
実際に今、電車が走っていたとしたら、車窓からこのような風景を見ることができるんだなーという想像も膨らませることができますよ!
また、散策を楽しむ前、あるいは楽しんだ後には小樽市総合博物館へ立ち寄るのがおすすめです。
小樽市総合博物館は、手宮線遊歩道の北側始点の先にあります。
入場料は、大人が400円、子供は無料ととても安く、北海道鉄道や、小樽市の歴史に関する展示がされています。
北海道鉄道で当時使われていた車両の車内を観覧することも可能で、鉄道好きの方にはたまらない施設になっています。
夏には期間限定でアイアンホースの乗車体験を無料ですることができますよ!
総合博物館の展示を見て、当時はこんな電車が走っていたんだなーと思いを馳せながら、旧国鉄手宮線の散策路を散策するのも良いですし、散策したあとで、あそこにはこんな電車が走っていたんだなーと振り返るのも良いですね!
このように、旧国鉄手宮線は様々な楽しみ方ができるので、ぜひあなたの思うような楽しみ方で散策してみてください。
付近
旧国鉄手宮線は、多くの観光客でにぎわう堺町本通りや小樽運河の近くに位置するため、周辺の観光地も充実しています。
小樽運河は、旧国鉄手宮線から東に少し歩いたところにあります。
小樽と言えば小樽運河というぐらいの観光名所なので、ぜひ旧国鉄手宮線を訪れた際は立ち寄ってみてください!
小樽運河は日中訪れるのと夜訪れるのとで、また違った風情が感じられるので、ぜひ時間がある方は、昼夜訪れてみると良いですよ。
また、旧手宮線遊歩道の南側始点から、寿司屋通りを北東に進むと、堺町本通りにたどり着きます。
堺町本通りには、ガラスやオルゴールのショップが多数あるほか、海鮮丼が食べられる食堂も多くあります。
お土産を買うことができる店も多くあるので、落ち着いた散策をしたあとは、少し足を延ばして買い物や食事を楽しむのも良いでしょう。
前述で小樽がらす市について紹介しましたが、小樽の硝子ショップはどこも見応えがあります!
ガラス工芸に癒されながら、気に入ったものはぜひお土産として買ってみてください。
オルゴールも、小樽でしか買えないものが多数あります。
小樽オルゴール堂2号館では、時間帯によっては多種多様なオルゴールの演奏を聴くことができるので、そちらもぜひ足を運んでみてください。
アクセス
最後に、旧国鉄手宮線のアクセスについて紹介します。
旧国鉄手宮線の南側始点にアクセスする場合、電車では小樽駅から徒歩10分程度で着きます。
小樽駅までは、新千歳空港や札幌駅からは快速エアポートで乗り換えなしでアクセスすることができます。
また、観光名所の小樽運河からは、南側始点まで徒歩5分程度でアクセスすることができます。
駅からも、観光の中心地からも気軽にアクセスすることができる便利な立地にあるので、周辺観光のついででも気軽に立ち寄れますよ。
自家用車でお越しの方は、無料の駐車場はないため有料駐車場に停める必要があります。
周辺にも観光地が多くありますし、駅も近いのでコインパーキングは多くあります。
ほかの観光の予定との兼ね合わせでパーキングを選ぶと良いでしょう。
自動車でのアクセスは、札樽自動車道の小樽ICから約5分で、高速道路を利用しない場合は、日本海オロロンラインからすぐでアクセスすることができます。
また、北側始点や南側始点ではありませんが、稲穂十字街バス停から市立小樽美術館方面へ少し歩くと、旧国鉄手宮線のオープンスペースの途中の場所にアクセスすることができるので、荷物が多い方はバス利用もおすすめです。
どの交通手段でもアクセスしやすい立地なので、気軽に立ち寄ってみてください。